【第5回】TikTokは「若者だけ」ではない!30代・40代の約4割が利用— BtoB企業のTikTok活用法

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執筆者沖山 佑樹
コラムテーマWebマーケティング
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導入:結論——TikTokは「ダンスアプリ」から「全世代の学習・情報メディア」へ

先に結論をお伝えします。

TikTokの利用者は若者だけではなくなった。総務省の調査では30代・40代の利用率が約4割に達し、利用年齢層は明確に上昇している。それに伴い、BtoB企業や教育系コンテンツの活用が増加中だ。TikTokの評価軸は「視聴維持率」が最重要であり、中小・中堅企業の勝ち筋は、自社の専門知識を短尺の「教育コンテンツ」に変換することである。

「TikTokは若い子が踊る場所。うちの客層とは関係ない」——BtoB企業や高単価商材を扱う企業の経営者の多くが、こう考えて検討対象から外してきました。しかしその認識は、データで見るとすでに現実と食い違っています。本コラムでは、公的データで利用者層の変化を確認し、BtoB企業がTikTokで成果を出す具体的な方法を解説します。

データが示すTikTok利用者層の変化——30代39.7%、40代39.9%

総務省情報通信政策研究所の「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によれば、TikTokの利用率は全年代で33.2%と前年から増加(+0.7ポイント)しています。主要サービスの多くが利用率を落とすなかでの増加です。年代別の利用率は次のとおりです。

年代

TikTok利用率

10代

65.7%

20代

58.7%

30代

39.7%

40代

39.9%

50代

25.5%

60代

18.8%

 

注目すべきは30代39.7%・40代39.9%という数字です。企業の意思決定に関わる年代の約4割がTikTokに接触している——これは、BtoB商材・高単価商材にとっても十分に「顧客がいる場所」であることを意味します。実際、プラットフォーム上では専門知識を解説する教育系コンテンツや、企業の技術・現場を見せるコンテンツの存在感が増しています。

BtoB企業がTikTokで成果を出す3つの型

型1:教育・ノウハウ型——専門知識を「60秒の授業」に変換する

BtoB企業の最大の資産は、日々の業務で蓄積された専門知識です。「顧客からよく受ける質問」を1本60秒前後の解説動画に変換することが、最も再現性の高い勝ち筋です。専門用語を中学生にも分かる言葉に置き換え、第2回で解説した「約束→結論→根拠」の構成で作れば、視聴維持率も確保できます。教育コンテンツは商圏を問わず蓄積され、検索(第3回)にも強いという利点があります。

型2:採用・社風型——「人」を見せて採用市場で選ばれる

TikTokは商品販売だけでなく採用広報でも機能します。現場の一日、社員の座談会、仕事の裏側——「どんな人が働いているか」が伝わるコンテンツは、求人票では届かない層に会社を知らせます。人材確保が経営課題である中小企業にとって、費用対効果の高い活用領域です。

型3:現場・専門性可視化型——製造工程や技術を「見せる」

製造業・建設業・士業などは、普段は見えない工程や技術をそのまま見せるだけでコンテンツになります。「職人の手元」「検査の様子」「ビフォーアフター」は、言葉で説明するより雄弁に自社の品質を証明します。取引先や元請けが視聴していることも珍しくなく、信用の担保として営業活動を側面支援します。

評価軸は「視聴維持率」——バズ狙いより完走される動画を

TikTokのアルゴリズムで最重要視されるのは視聴維持率です。フォロワー数が少なくても、最後まで観られる動画は新規視聴者に配信され続けます。逆に、バズを狙った誇張は離脱を招き逆効果です。「フォロワーゼロからでも中身で戦える」ことこそ、後発の中小企業にとって最大のチャンスと言えます。

今月からできる3つのアクション

13.  「顧客からよく受ける質問」を10個書き出す: 営業・技術・サポート部門にヒアリングし、そのまま動画企画のリストにしてください。第3回の検索キーワード棚卸しと共通の資産になります。

14.  60秒解説のテンプレートで3本試作する: 「質問の提示(約束)→答え(結論)→理由・実例→次の行動」の構成で3本作り、視聴維持率を比較してください。

15.  社内の「出演者」と「ネタ元」を決める: 顔出しできる担当者と、専門知識を供給する技術者・ベテランをペアにする体制が、継続運用の現実解です(体制論は第9回で詳述します)。

よくある質問(FAQ)

Q. BtoBの高額商材でも本当に効果がありますか?

A. TikTok単体で受注が完結することは稀ですが、第7回で解説する「蓄積型購買行動」の入口として機能します。専門性を示す動画の蓄積が、後の指名検索・問い合わせの質を変えます。効果測定は直接売上ではなくリーチと指名検索で行ってください。

Q. 炎上が怖いのですが、何に気をつけるべきですか?

A. リスクの大半は「事実と異なる誇張」「他者への言及」「従業員の不適切な扱い」から生じます。投稿前チェックリスト(事実確認・権利確認・表現確認)を整備し、宣伝を依頼する場合は消費者庁のステマ規制(第3回参照)に沿ったPR表記を徹底してください。

Q. YouTubeとTikTok、どちらを優先すべきですか?

A. リソースが限られるなら、まず短尺動画1本を作り、TikTok・Instagramリール・YouTubeショートに同時展開する「1ソース・マルチユース」を推奨します。プラットフォームごとの反応差を見てから注力先を決めるのが合理的です。

結びの言葉

TikTokの利用者層の変化は、先入観でチャネルを選んではいけないことを教えてくれます。データで顧客のいる場所を見極め、専門知識という自社だけの資産で戦ってください。次回は、動画プラットフォームの本丸・YouTubeの評価軸の変化——「視聴者満足度」を解説します。

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執筆者 : 沖山 佑樹

2013 年に船井総研に中途入社。 「スモールでも」「ローカルでも」をモットーにテクノロジーを使って、デジタルマーケティングに関する支援をしている。 中堅・中小企業とプラットフォーマーとの架け橋として、ご支援先の商品やサービスを理解し、最適なプラットフォーム活用(ネット広告やデジタルツールなど)を推進している。